毎日新聞社の財務状況を素人分析してみよう

最近話題の毎日新聞
ネット界隈では大騒ぎ。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080721_mdn_mainichi_jp/
gigazineでのまとめ

池田信夫先生には倒産したら復活しないで欲しいとまで言われる始末。


では実際に倒産することはありえるんだろうか?
EDINETで素人分析してみました→http://info.edinet-fsa.go.jp/

(注意:一応財務諸表は一般の人よりは読めますが、ただの学生の分析だと思って読んで下さい)


分析に使ったのはH16年度からH19年度までの4事業年度の毎日新聞社個別財務諸表です。

とりあえずB/Sを見てみると・・・あれ?
いずれの年度でも流動負債が流動資産を上回っております。一般的にはイヤ〜なシグナルとされてます。
明日100万円返すのに手元に50万しか無いようなもの。

もしかして新聞社は特殊なのかと他社を見ると産経もそうでした。朝日はセーフ。
中堅どころはどこも厳しいようです。

そこで固定負債を見てみますと、4年間で社債がほぼ消滅し、大量に長期借入金が増えています。
資金調達を見直したようです。



B/Sまとめ
長期借入金でどうにか経営を回している?


続いてP/Lを分析。
売上高が4年で10%弱減ってます。朝日もそれくらい減ってました。
どうやら新聞離れは本当のようです。
毎日も朝日も新聞の粗利は4割ほどですが、毎日は4年で売上原価を1割ほど削減に成功しています。
朝日はほぼ変わらず。やはりここ5年で財務・経営のリストラを進めたように見えます。

営業利益/売上高は毎日が1%ほど、朝日が3%強、産経は2%弱。やはり中堅にはきついのでしょうか。
確かに常識的に考えれば読売・朝日は広告料を高めに設定できそうです。
営業外費用で見ると、借り入れ増大を反映して支払い利息が増えています。
支払い利息で営業利益の半分が飛んでます。



P/Lまとめ
営業利益の向上が欲しい?



全体としてのまとめ

見てみると、毎日新聞社は財務状況はあまり良くないように見える。
リストラの結果もあるので、ある程度の期間は長期借入先の金融機関も見守ってくれると思われる(?)
しかし更なる経営安定化のためには営業利益率の向上が欲しい。
つまり広告単価の増大が欲しいはず。
それを考えると今回の事件で、イメージを悪化させたのはなかなかのダメージでは無いだろうか?

今回の事件を当初毎日新聞はネット界での一つの祭としてしか考えていなかったと思われる。
「がんだるふ氏」報道のような。
しかしかなり長続きするバッシングを見て、ネット界を超えてリアル紙面での広告収入減が実現しないよう、
このタイミングで大きく謝罪文をリアル紙面でも公開したのではないだろうか。
いずれにしても毎日新聞がまともな新聞になってくれることを望みたい。


(再び注意:当エントリーは大して根拠はありません。あくまでも1ブロガーの妄想として考えてください)